「対麻痺」とは?交通事故とケガの治療に関する用語

やさしい交通事故の用語集

対麻痺 [ついまひ]

意味
両腕または両足が麻痺している状態のことです。交通事故によって脊髄や脳を損傷することで対麻痺を発症し、治療しても症状が改善せずに後遺症として残る場合があります。
解説

身体の一部や全部を思うように動かすことができない状態を「麻痺」と呼びます。
そして、損傷した部位の運動機能や感覚がどの程度失われたかによって、次の2種類に分類されます。

  • 完全麻痺:運動機能や感覚が完全に失われた状態
  • 不全麻痺:運動機能や感覚が一部残っている状態

さらに、身体のどの部位に症状が生じたかによって呼び方が異なり、対麻痺は右半身または左半身が麻痺した状態を指します。対麻痺を含めて、麻痺には次のような種類があります。

  • 単麻痺:片手または片足に麻痺がみられる状態
  • 片麻痺:左右どちらかの半身に麻痺がみられる状態
  • 対麻痺:両腕または両足に麻痺がみられる状態
  • 四肢麻痺:両手両足(四肢)に麻痺がみられる状態

交通事故による対麻痺の主な原因

対麻痺を発症する主な原因は脊髄損傷です。交通事故においても、背中を強く打ち付けて背骨が折れたり、脱臼したりすることで脊髄を損傷した場合に、対麻痺が生じる可能性があります。

なお、頭部を打ち付けるなどして脳を損傷した場合も、身体に麻痺が生じる大きな原因となります。ただし、脳の損傷によって生じる麻痺は、単麻痺や片麻痺、四肢麻痺が大半で、対麻痺となるケースは多くありません。

対麻痺の程度による分類

麻痺の症状は、物を持ったり歩いたりするなど、手足の基本動作にどの程度の支障が生じているかによって、高度、中等度、軽度の3段階に分類されます。どの分類に該当するかによって、認められる後遺障害の等級が異なります。

高度の麻痺

「高度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性がほとんど失われており、基本動作ができない状態です。

  • 物を持ち上げて移動させることができない
  • 立ち上がったり、歩行したりすることができない

中等度の麻痺

「中等度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が相当程度、失われており、基本動作にかなりの制限がある状態です。

  • 文字を書くことができない
  • 仕事で必要な軽量の物(おおむね500g)を持ち上げられない
  • 杖や硬性装具がなければ歩行が困難

軽度の麻痺

「軽度の麻痺」とは、障害のある上肢または下肢の運動性・支持性が多少失われており、基本動作の巧緻性や速度が相当程度、損なわれている状態です。

  • 文字を書くことが困難
  • 杖や硬性装具がなければ階段を上ることができない

対麻痺の後遺障害等級

交通事故によって対麻痺の状態となり、治療を続けても症状の改善が見込めないと主治医が判断すれば、後遺障害の等級認定を受けられる可能性があります。

後遺障害は、症状の内容や程度に応じて14級から1級に分類されます。対麻痺の後遺障害が残った場合、麻痺の程度に応じて次の等級のいずれかに該当します。

等級麻痺の程度
要介護1級高度の対麻痺
常時介護を要する中等度の対麻痺
要介護2級随時介護を要する中等度の対麻痺
第3級中等度の対麻痺
第5級軽度の対麻痺

そして、認定される等級によって、後遺障害慰謝料の金額が次のように異なります。

等級自賠責基準弁護士基準
要介護1級1,650万円2,800万円
要介護2級1,203万円2,370万円
第3級861万円1,990万円
第5級618万円1,400万円
  • ※2020年4月1日以降に発生した交通事故に適用される金額です。

慰謝料は、どの基準を用いて計算するかによって金額が大きく上下します。加害者側の任意保険会社に慰謝料を請求する場合、最低限度の補償である自賠責基準と同程度の金額が、保険会社から提案されると考えてよいでしょう。

弁護士基準の慰謝料を獲得するには、保険会社と交渉して増額を認めさせなければなりません。しかし、保険会社は事故と交渉の知識や経験が豊富な専門家なので、増額を認めさせるのは不可能に近く、そもそも交渉に応じてもらえない可能性も高いです。

提示された慰謝料の金額に納得できなければ、交通事故に詳しい弁護士に相談し、増額交渉を依頼しましょう。弁護士であれば、法的に認められる最大限の慰謝料を支払うよう適切に主張できるため、弁護士基準による金額まで増額が期待できます。

慰謝料以外の損害賠償金も弁護士にご相談を

後遺障害が残ったことで請求できる損害賠償金は、慰謝料だけではありません。たとえば、交通事故に遭わなければ将来得られるはずだった利益を、逸失利益として請求することができます。

ほかにも、自宅をリフォームしたり、麻痺が残っても運転できるよう自動車を改造したりする場合、家屋改修費、自動車改造費の請求が可能です。自力での生活が困難なため介護が必要になれば、介護費(将来介護費)も損害として認められる場合があります。

ただし、これらの費用についても、支払いを認めるかどうかや金額などを巡り、保険会社と争いになるケースがあります。この点、弁護士に保険会社との交渉を任せることで、これらの費用についても納得できる解決を目指せるでしょう。

関連する用語
四肢麻痺[ししまひ] 単麻痺[たんまひ] 片麻痺[へんまひ]

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