「累犯」とは?交通事故と刑事裁判に関する法律用語

やさしい交通事故の用語集

累犯 [るいはん]

意味
罪を犯して懲役の実刑に処せられていた者が、懲役の刑期が終わってから5年以内に新たな罪を犯し、有期懲役に処せられることです。
解説

0.累犯に該当するケース

累犯とは、懲役刑に処せられていた人が、懲役の執行が終わった日から5年以内に新たに罪を犯し、有期懲役に処せられることのことを指します。

交通事故の場合でも、たとえば、妨害を目的としたあおり運転をして重大な交通事故を引き起こし、懲役刑の実刑判決を受けたが、懲役刑が終了してから5年以内に再び重大な交通事故を起こし、逮捕されるなどのケースが考えられます。

累犯の場合、初犯の時と比べてより重い刑罰に処せられる可能性があります。

1.累犯の種類

累犯には、その内容に応じて、「再犯」と、「三犯以上の累犯」に分類されます。

1-1.再犯

再犯は、一般的に知られている言葉ですが、法律上、再犯が成立するためには次の要件を満たす必要があります(刑法第56条1項)。

  • 以前に懲役刑に処せられ、刑務所に収監されていたこと
  • 懲役刑の執行を終わった日から5年以内に新たな罪を犯したこと
  • 新たな罪の判決が有期の懲役刑であること

①の条件を満たす場合とは、実刑判決を受けて刑務所に収監されている場合に該当します。執行猶予が付いたことで刑務所に収監されていない場合は、この要件を満たしたことにはなりません。

②の5年の起算日は、刑期終了日の翌日を起算点としています。
途中で仮釈放される可能性がありますが、仮釈放中の犯罪は累犯には該当しません。

③に記載されているように、5年以内に犯した犯罪が、懲役刑の場合に累犯と判断されます。罰金刑や禁固刑の場合は累犯にはなりません。

1-2.三犯以上の累犯

そして、上記の状態が3回以上続いた場合には、「三犯以上の累犯」(同法第59条)となります。

三犯以上の累犯は、1犯目(初犯)と2犯目(再犯)、2犯目と3犯目、1犯目と3犯目の間でそれぞれ、前述の再犯の要件をすべて満たした場合に該当します。

2.累犯すると刑が加重される

累犯をした場合、初犯の時と比べて、重い刑罰に処せられる可能性が高くなります。
この根拠は、懲役刑を一度科されたにもかかわらず、罪を再度犯したことが強く非難されるべきだからとか、さらなる犯罪を抑止するため、刑を重くするべきであるからといった観点からです。

累犯の場合、その罪に定められている懲役刑の上限が2倍となります(同法第57条)。
たとえば、妨害を目的としたあおり運転で3年の懲役刑となり、服役後5年以内に再度、あおり運転で逮捕された場合には、上限3年の2倍である6年の懲役刑になる可能性があります。

しかし、実際には、事故状況などを照らし合わせて判断されていきますので、必ず加重された刑期になるとは限りませんが、初犯の場合と比べて厳しい刑に処せられる可能性は高まるでしょう。

3.累犯に執行猶予は付く?

累犯の場合でも、執行猶予が付くことがありえます。

執行猶予の要件には、「禁錮以上の刑の執行の終わった日、または、その執行の免除を得た日から5年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない」という規定があります(同法第25条1項2号)。

たとえば、あおり運転で懲役刑を受け、2018年8月31日にこの刑期が終わり、2023年8月1日に罪を犯した場合、5年は経過していないので累犯となります。
ただし、累犯における判決の確定日が2023年12月5日であった場合は、判決確定日が5年を経過しているため、執行猶予が付く可能性があります。

4.累犯と常習犯の違い

累犯と似た概念に「常習犯」があります。

これは、一定の犯罪を何度も反復して行う犯罪類型のことを指します。 常習犯については、通常の処罰よりも、より厳しい処罰を受けることになります。

具体的には、賭博罪や窃盗罪、強盗罪などを繰り返し行った場合に常習犯となります。
窃盗罪の場合、法定刑は「10年以下の懲役、または、50万円以下の罰金」ですが、常習窃盗罪では、「3年以上の懲役」に加重されます。
また、強盗罪の法定刑は「5年以上の有期懲役」ですが、常習強盗罪では「7年以上の有期懲役」に引き上げられます。

累犯と似た概念ではありますが、両者は必ずしも合致するものではありません。 累犯は、以前の犯罪と新たな犯罪が異なる罪であっても成立しますが、常習犯は、同じ犯罪を行った場合に成立するという違いがあります。

キーワードで探す

交通事故に関するキーワードを入力して、該当する用語があるか調べられます。

交通事故でお困りの方へ どのようなことで
お悩みですか?

弁護士の先生
弁護士 堀向良介弁護士 金岡紗矢香

交通事故強い弁護士 あなたの交渉をサポートいたします。

交通事故に関するご相談は何度でも無料。
まずはお気軽にお問い合わせください。

通話料無料 /
0120-915-464 受付時間:平日 9時-21時/土日祝は19時まで
電話で相談する
メールからもご相談の予約ができます。 無料相談を予約する

交通事故に関するご相談は何度でも無料
まずはお気軽にお問い合わせください。

通話料無料
全 国 対 応
通話料
無 料
0120-915-464 受付時間:平日 9時-21時/土日祝は19時まで
メールからも受付中
無料相談を予約する
ページトップに戻る