スパーリングテスト [すぱーりんぐてすと]
- 意味
- 神経学的検査の一種で、頸椎(首)の神経根障害を調べるために行われるテストのことです。
- 解説
交通事故による突然の追突などが原因で首に強い衝撃を受けてしまい、むち打ち(頸椎捻挫)になってしまうことがあります。
むち打ちの症状には、患部の痛みや痺れ、倦怠感、吐き気、可動域制限などさまざまなものがあります。
これらの症状は、主に、神経などの軟部組織の異常が原因で発症することが多いとされています。
そして、むち打ちの場合は、これらの症状を自覚していても、CTやMRIなどの画像検査では、症状の原因を判別することが難しいこともあります。しかし、画像検査で症状の原因が明確に判別できなくても、スパーリングテストなどの神経学的検査を受けることで、むち打ちの症状を示すことができる可能性があります。
神経学的検査とは、医師が手や器具などを使って患部に圧力を加えたり、曲げたり伸ばしたりするなどの方法で、症状の有無を判断するために行われます。
これらの検査結果も、他覚的所見として診断書などに記載してもらうことができるため、症状の証明に役立てることができます。もし、交通事故に遭ってむち打ちになってしまった場合は、スパーリングテストなどの神経学的検査も受けるとよいでしょう。
スパーリングテストの検査方法
スパーリングテストは、患者が椅子に座った状態で、首を右と左に交互に傾け、医師が後方に立ち、患者の頭の上から手で垂直方向に圧迫する方法(徒手検査法)によって行われます。
このように圧迫することで、椎間孔(神経根の通り道)が狭められ、その間を通っている神経根に異常があると、患部に痛みや痺れなどの症状が現れます。
この場合は陽性となり、症状の存在が認められることになります。なお、スパーリングテストを受けた結果の申告それ自体は、自己申告となるため、自覚症状を正確に医師に伝える必要があります。
スパーリングテストの結果は、レントゲンやCT、MRI検査などでは識別することができなかったむち打ちの原因を証明するために重要な検査結果となりますから、正確に伝えるようにしましょう。
スパーリングテストを受けるタイミング
交通事故でむち打ちになった場合、スパーリングテストは、主に次のタイミングで行われることが一般的です。
- 治療中:むち打ちの症状を検査するため
- 症状固定時:むち打ちの後遺症を検査するため
むち打ちの原因は、前述したように画像検査では、識別が困難な場合が多いです。そのため、正確な症状を把握できず、適切な治療法も判断が付きにくいこともあります。
そこで、スパーリングテストなどの神経学的検査を受けることで、症状の程度を確認し、治療方針に役立てることができます。
また、症状固定時にスパーリングテストを受けることで、残存している症状を検査することも可能です。後遺症が残った場合には、神経学的検査も受けるとよいでしょう。
そして、この診断結果が、「後遺障害診断書」や、初診から終診までの自覚症状の推移を記載する「頚椎捻挫・腰椎捻挫の症状の推移について」、「神経学的所見の推移について」という書面にまとめられます。
後遺症の証明にも役立つ検査ですから、交通事故に遭った直後や、痺れなどの症状が回復しない場合には、スパーリングテストを受けるよう、主治医によく相談してください。
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- むち打ち[むちうち]
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