クラウン [くらうん]
- 意味
- 大きく欠損した歯を補修する際に用いられる人工の歯のことです。欠損した歯を覆うように被せて補修するため、「被せ物」とも呼ばれます。
- 解説
交通事故により口を負傷することで、歯を喪失したり、大きく欠損したりする場合があります。喪失したり、欠損したりした歯を補修する治療を歯科補綴(しかほてつ)と呼び、歯科補綴の方法のひとつとしてクラウンが使われる場合があるのです。
欠損した歯に人工の歯を被せるクラウン
虫歯や口の負傷などで歯を大きく欠損した場合、クラウンという人工の歯で補修する方法により治療することがあります。
歯は、歯ぐきから見えている歯冠と、歯ぐきの中にある歯根にわけられます。
クラウンによる治療を行う場合、まずは歯根の部分を利用してコアと呼ばれる土台を建てることが一般的です。そして、土台の上に金属やセラミック製の人工の歯(被せ物)を被せます。
クラウンの種類
クラウンにはさまざまな素材が用いられており、主に次のような種類があります。
- オールセラミック
- メタルボンド
- ジルコニア
- 銀歯
- 硬質レジン前装冠
- CAD/CAM冠
種類によって強度や見た目(審美性)、金額などが大きく異なり、それぞれにメリット・デメリットがあります。どの種類を選択するかについては、歯科医などと相談しながら検討しましょう。
歯の喪失・欠損は後遺障害の対象となる
交通事故によって歯を喪失、欠損し、クラウンなどの歯科補綴の治療を受けた場合、歯牙障害(しがしょうがい)として後遺障害が認められる場合があります。歯牙障害による後遺障害の等級は、歯科補綴を受けた歯の本数によって異なります。
後遺障害等級 障害の程度 10級4号 14歯以上に対し歯科補綴を加えた 11級4号 10歯以上に対し歯科補綴を加えた 12級3号 7歯以上に対し歯科補綴を加えた 13級5号 5歯以上に対し歯科補綴を加えた 14級2号 3歯以上に対し歯科補綴を加えた 3本以上の歯を歯科補綴した場合に後遺障害が認められますので、喪失または欠損した歯の本数が2本以下の場合は認められません。
また、歯が少し欠けたような場合は、歯科補綴を加えた本数としてカウントされません。次のような状態の場合に本数として認められます。
- 抜歯を含めて完全に歯を喪失した
- 歯冠を4分の3以上欠損した
歯牙障害は適切な治療方法の選択が重要
喪失、欠損した歯の治療方法はクラウンだけでなく、ブリッジや入れ歯、インプラントなど、さまざまな種類があります。歯科医とよく相談し、最適な治療方法を選択することが重要です。
また、後遺障害の等級認定を申請する場合は、交通事故に詳しい弁護士に相談し、対応を依頼することをおすすめします。交通事故に詳しい弁護士なら、被害の程度に応じた適切な等級認定を目指し、治療の受け方に関するアドバイスや申請手続きのサポートなどをしてくれます。
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