アジャスター [あじゃすたー]
- 意味
保険会社からの依頼により、交通事故で破損した車両に対する修理内容や修理費用などの妥当性を判断する専門家です。
- 解説
交通事故により自動車が破損した場合、修理費用を加害者側に請求できます。
修理費用を請求する際、被害者が修理工場を探して修理費用の見積もりを作成してもらうことが一般的です。加害者側の保険会社は、見積もりの内容が妥当かどうかを判断するため、専門家であるアジャスターに依頼します。
アジャスターの役割と修理費用が決められる流れ
交通事故によって破損した自動車などの修理費用は、一般的に次のような流れで決められます。ただし、加害者側の保険会社や修理工場などによって異なる場合があります。
- 事故車両を修理工場に移動させる
- 修理工場が修理費用の見積もりを作成する
- アジャスターが見積もりの妥当性を確認する
- 修理工場と保険会社が修理費用を確定する
事故車両を修理工場に移動させる
事故により自動車が破損した場合、被害者が修理工場を探し、事故車両を修理工場に移動(入庫)させます。
修理を依頼する修理工場は、自動車を購入した販売店(ディーラー)や、近所の工場を選んでも構いません。保険会社が提携する工場に対応してもらうことも可能です。
大きく破損したために修理工場まで自走することが難しければ、レッカー車を使用しましょう。レッカー車を使用した際に発生したレッカー代は、損害として加害者側への請求が認められる場合があります。
修理工場が修理費用の見積もりを作成する
事故車両を修理工場に運んでも、すぐに修理が始まるわけではありません。
修理工場はまず、事故車両が入庫されたことを加害者側の保険会社に連絡します。その後、車両の破損状況などを踏まえて修理費用の見積もりを作成し、車両の写真などとともに見積もりを保険会社に送ります。
アジャスターが見積もりの妥当性を確認する
見積りを受け取った保険会社はアジャスターに依頼し、車両の破損状況に対して修理の内容や費用が妥当かといった点を確認します。アジャスターは、修理工場から送られてきた見積もりや写真をチェックするだけでなく、必要に応じて車両を直接確認するケースもあります。
修理工場と保険会社が修理費用を確定する
アジャスターの調査結果をもとに、修理工場と保険会社が修理費用について協議し、具体的な金額を決めていきます。
ただし、必ずしも確定した金額がそのまま支払われるわけではありません。事故の発生に対して被害者にも何らかの責任(過失)がある場合、責任の程度(過失割合)に応じて支払われる金額が減らされます(過失相殺)。
被害者にどの程度の過失割合を認めるかについては、被害者と保険会社が交渉で決めることになります。
修理費用や過失割合の不満や疑問は弁護士に相談を
加害者側の保険会社から提示された修理費用の金額や過失割合に、納得できないケースは少なくありません。特に、過失割合は修理費用だけでなく、交通事故によってケガを負った場合の慰謝料や逸失利益などの金額にも大きく影響する可能性があります。
提示された過失割合に不満があれば、保険会社と交渉して適切な数値に修正するよう求めることが重要です。ただし、保険会社は事故に関する知識や交渉の経験が豊富なので、有利に話し合いを進めるには、交通事故に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。
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