後遺障害等級の併合とは何か、等級認定のルールを弁護士が解説

交通事故のよくあるご相談Q&A(FAQ)

等級認定

Q.uestion

後遺障害等級の「併合」とは何ですか?

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
Answer

交通事故により2つ以上の後遺障害が残った場合に適用される等級認定のルールです。系列が異なる複数の後遺障害が残ると、等級によっては最も重い等級が繰り上げられます。

0.後遺障害の「併合」とは

交通事故によるケガの治療を続けても、何らかの後遺症が残ってしまう場合があります。

後遺症について、後遺障害の等級認定を受けると、後遺障害の慰謝料逸失利益(交通事故がなければ将来得られていたであろう利益)を加害者に請求できます。
後遺障害は症状に応じて、1級から14級(要介護状態は1級と2級)の等級に分類され、等級によって慰謝料や逸失利益の金額の相場が決まっています。

そして、目や耳、上肢(肩や手指など)、下肢(膝や足指など)といった10種類の身体の部位に区分されます。
さらに、10種類の部位に生じる後遺障害は、欠損障害や機能障害、運動障害など、35種類の系列に細かく分類されます。

後遺障害の「併合(へいごう)」とは、このような系列が異なる複数の後遺障害が残った場合に適用される等級認定のルールです。

1.併合の基本ルール

1回の交通事故で手と足にケガを負い、それぞれに後遺障害が残ったとしても、2つの等級に認定されるわけではありません。
系列が異なる2つ以上の後遺障害が残った場合、併合というルールにより、1つの等級に認定されることになります。

具体的には、次のような基本ルールにより、認定される等級が決まります。

  • 5級以上が2つ以上ある:最も重い等級を3級繰り上げる
  • 8級以上が2つ以上ある:最も重い等級を2級繰り上げる
  • 13級以上が2つ以上ある:最も重い等級を1級繰り上げる
  • 14級が2つ以上ある:14級のまま

併合の基本ルールをまとめると、次のような表の通りになります。

後遺障害等級の併合のルール表

たとえば、4級と6級の後遺障害が残った場合、併合により最も重い等級(4級)を2級繰り上げるため、2級に認定されます(併合2級)。
13級と7級であれば、最も重い等級(7級)を1級繰り上げるため、6級に認定されます(併合6級)。

2.併合の例外的なルール

2つ以上の後遺障害が残ったとしても、基本ルールが必ず適用されるわけではありません。
次のようなケースに当てはまると、併合の例外的なルールが適用されたり、併合が行われなかったりする場合があります。

  • 等級認定の基本ルールを適用すると序列が乱れる
  • 組み合わせがある後遺障害が残った
  • 同一系列とみなされる後遺障害が残った
  • 派生する後遺障害が残った
  • 要介護の後遺障害が残った

3.等級認定の基本ルールを適用すると序列が乱れる

併合の基本ルールに従うと、より症状が重い後遺障害の方が低い等級となってしまうケースがあります。
このようなケースでは、序列が乱れてしまうことがないよう、例外的な取り扱いがなされます。

たとえば、次のような後遺障害が残った場合を例に考えてみましょう。

  • 右腕を手関節以上で失った:5級4号
  • 左腕をひじ関節以上で失った:4級4号

交通事故により、これらの後遺障害が同時に残った場合、併合の基本ルールに従うと最も重い等級を3級繰り上げるため、併合1級となります。
しかし、1級3号として設定されている「両上肢をひじ関節以上で失ったもの」の方が、重い症状であるにもかかわらず、等級が同じになります。

そのため、序列を乱してしまうことがないよう、上記の例では、併合2級に認定されます。

4.組み合わせがある後遺障害が残った

右手と左手など、複数の部位に対する後遺障害が、あらかじめ設定されている場合があります。
このような後遺障害を「組み合わせ等級」と呼び、該当する後遺障害が残った場合に認定されます。

たとえば、片方の手の指を交通事故によってすべて失った場合、「1手の5の手指の用を廃したもの」として、7級7号に認定されます。
しかし、両方の手の指をすべて失ったとしても、併合の基本ルール(+2級)により併合5級に認定されるわけではありません。

両手の指をすべて失った場合、「両手の手指の全部の用を廃したもの」として設定されている4級6号に認定されます。

5.同一系列とみなされる後遺障害が残った

系列が異なる2つ以上の後遺障害が残ったとしても、併合が行われず、同一系列の後遺障害が残ったものと扱われます。
具体的には、次のような後遺障害が残った場合です。

  • 両眼球の視力障害、調節機能障害、運動障害、視野障害
  • 同一上肢の機能障害と手指の欠損または機能障害
  • 同一下肢の機能障害と足指の欠損または機能障害

6.派生する後遺障害が残った

ひとつの後遺障害から派生し、ほかの後遺障害が残った場合、併合が行われるのではなく、上位の等級に認定されます。
たとえば、次のような後遺障害が残ったケースです。

  • 左ひじに偽関節が残った:8級8号
  • 左ひじに頑固な神経症状が残った:12級13号

このようなケースでは、2つの後遺障害のうち上位の等級である8級に認定されるでしょう。

7.要介護の後遺障害が残った

併合のルールは介護が不要な1級から14級の後遺障害に適用されます。
そのため、要介護の1級と2級の後遺障害が残った場合、併合は行われません。

8.後遺障害の疑問は弁護士にご相談を

交通事故により後遺障害が残った場合、認定された等級により後遺障害の慰謝料と逸失利益の金額に大きな差が生じます。

しかし、事故や医療などに関する知識が求められるため、自身がどの等級に該当するかを判断するのは非常に困難です。
特に複数の後遺障害が残った場合、併合に関する複雑なルールも理解しなければなりません。

また、治療を担当した医師(主治医)が後遺障害の仕組みについて、必ずしも詳しいとは限らないことにも注意が必要です。
この点、弁護士は、より高額な慰謝料や逸失利益を獲得することを念頭に、適切な等級の認定に向けてサポートしてくれます。

ただし、弁護士であれば誰に相談、依頼してもいいわけではありません。交通事故に詳しく、実績が豊富な弁護士を選ぶことが重要です。
ホームページなどで事故に関する解説や解決事例が掲載されているかを確認したり、実際に相談してさまざまな疑問点を質問したりすることをおすすめします。

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
この記事を監修した弁護士

弁護士 大橋 史典弁護士法人プロテクトスタンス所属
(第一東京弁護士No.53308)

獨協大学法学部法律学科卒業 明治大学法科大学院法務研究科 修了(68期)。
弊事務所に入所後、シニアアソシエイトとして活躍。交通事故分野を数多く取り扱い豊富な経験を持つ。

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