交通事故で車載の荷物が壊れた場合、損害を請求できるか弁護士が解説

交通事故のよくあるご相談Q&A(FAQ)

車両以外

Q.uestion

交通事故で車に積んでいた荷物が壊れました。損害賠償を請求できますか?

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
Answer

自動車などに積んでいた荷物が、交通事故により壊れた場合、損害賠償を請求できます。請求が認められるには、事故が原因で荷物を破損したことを証明できるかがポイントになります。

交通事故の被害に遭い、自動車の後部座席やトランクに積んでいた荷物、トラックの荷台に積載していた商品などが壊れた場合、損害として加害者やその保険会社に請求できます。

事故で荷物が壊れたことを示す証拠の確保を

荷物が壊れたため損害として請求しても「本当に事故が原因で壊れたのか?」などと疑われ、加害者や保険会社が賠償に応じようとしないこともあり得ます。
こうした事態を避けるため、壊れた荷物を撮影するなどして、証拠として残しておくことが重要です。

また、荷物の状態を実際に確認したいと保険会社などから言われる場合がありますし、精密機械などは衝撃により故障していても外観上は損傷がないこともあります。
そのため、壊れた荷物はすぐに廃棄せず、保存しておくようにしましょう。

適切な金額の賠償金を支払ってもらうため、その荷物をいつ、いくらで購入したかを証明することも大切です。
レシートや領収書、また、クレジットカードやインターネットで購入した場合は購入履歴など、購入日や金額がわかる資料がないか探しておきましょう。

請求する損害賠償額の算出方法

壊れた荷物について、修理が可能であれば修理費用を請求するので、費用の見積もりを取りましょう。
修理が不可能な場合や、修理費用が時価額を超えるような場合は、時価額を請求することとなります。

時価額は、壊れた荷物と種類や発売日などの条件が同等の中古品があれば、その中古価格が時価額になります。

中古価格がなければ、税法上の減価償却の方法で時価額を算出します。
簡単に説明すると、購入から事故発生までの経過年数などを踏まえて購入価格から減額します。

また、必ずしもこれまで説明した方法で算出するわけではなく、積荷の内容などによっては、様々な請求が認められる可能性があります。
請求が認められた裁判例の一部をご紹介します。

パソコンの時価額に加えデータ復旧費用も認められた事例

交通事故により車両に積んでいたノートパソコンが壊れた事例です(東京地裁判決平成17年10月27日)。
ノートパソコンの時価額として購入価格の半額が認められただけでなく、ハードディスク内のデータを修復する費用も損害として認められました。

カップ麺が荷崩れし、すべての買取費用と処分費用が認められた事例

カップ麺が入った段ボールを運送していたトラックが追突された事例です(大阪地裁判決平成28年4月26日)。

この事例でトラックの運転手は、運送業務委託契約に基づき、積荷全部を製品価格で自ら買い取り、廃棄処分していました。
外箱に破損がないカップ麺もありましたが、中身が粉々になっている可能性があるとして、すべてのカップ麺に対する買取費用と廃棄費用が損害として認められました。

1億円超の高額な積荷の損害賠償が認められた事例

損害賠償が認められるのは、損害の発生などが予見できる範囲に限られます。
裁判などで、加害者は損害の発生を予見できなかったと判断された場合、損害として認めらなかったり、損害の範囲が限定されたりするのです。

そのため、高額な機械などを運んでいる車両が交通事故の被害に遭うと、加害者側が「積荷が高額なことを予見できなかった」などと主張してくるケースがあります。
このような「予見可能性」を巡って争われたものの、1億円を超す損害賠償が認められた事例があります(大阪地裁判決平成23年12月7日)。

おむつを製造する機械2台を積載したトレーラーが追突され、機械が全損となった事例で、請求額は機械の新規製作価格として1億円を超えていました。
裁判において、「トレーラーやトラックの積載物が1億円を超えるような超高額品であることもあり得る」「損害が一般人の社会通念から通常予見できないものではない」などと判断され、1億円を超す高額な請求が認められました。

荷物の損害で争いになれば弁護士に相談を

交通事故が原因で荷物が壊れたのに、損害として認められなかった、提示された金額が低すぎるなど、荷物の損害を巡り保険会社と争いになる可能性があります。
損害賠償金の支払いや増額を求めたとしても、保険会社は支払額を少しでも抑えたいので、簡単には応じようとしません。

また、保険会社は交通事故の知識や交渉の経験が豊富なので、対等に交渉するのは非常に困難です。
そのため、交通事故に詳しい弁護士に交渉を依頼することをおすすめします。

もし、弁護士費用の負担が心配でも、加入中の自動車保険や火災保険に「弁護士費用特約」を付帯している場合は、弁護士費用が保険から支払われます。
特約を付帯していなくても、弁護士に依頼する金銭的なメリットがあるかをシミュレーションし、その結果を見てから依頼するかを決められますので、まずはご相談ください。

弁護士 大橋史典
弁護士 大橋史典
この記事を監修した弁護士

弁護士 大橋 史典弁護士法人プロテクトスタンス所属
(第一東京弁護士No.53308)

獨協大学法学部法律学科卒業 明治大学法科大学院法務研究科 修了(68期)。
弊事務所に入所後、シニアアソシエイトとして活躍。交通事故分野を数多く取り扱い豊富な経験を持つ。

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