モラルハザード [もらるはざーど]
- 意味
- 自動車保険に加入していることで、交通事故を起こしても被害者に対する補償を代わりにしてもらえることから、事故防止や安全運転などの意識が薄れてしまうことです。
- 解説
人身事故を起こした加害者は、ケガを負わせてしまった被害者の損害を補償する必要があります。
具体的には、治療費や休業損害、慰謝料などの賠償金を支払うことになります。この点、自動車保険に加入していれば、加害者本人に代わって、保険会社から被害者に賠償金を支払ってもらうことができます(自賠責保険は必ず加入しなければならない強制保険です)。
このように、交通事故を起こしても、一定の保険料を支払うことで高額な賠償金を負担せずに済むことから、保険契約者が事故を起こしても問題ないなどと慢心してしまい、安全運転に対する意識が希薄化してしまうことがあります。
また、保険の補償対象となる交通事故を故意に誘発させたり、交通事故の発生や詐病を装うことで不正に保険金請求を行おうとすることがあります。このような心理的な状態のことを、モラルハザード(道徳的危険)とよびます。
モラルハザードは、さまざまな保険で起こり得る可能性がありますが、自動車保険では、モラルハザードの防止対策として、「ノンフリート等級制度」が設けられています。
ノンフリート等級制度は、1年間、保険を使った事故がなければ、翌年の等級が上がり、保険料が下がるという仕組みです。
このような、インセンティブ制度を設けることで、安全運転を心がけさせようとする措置が講じられています。自動車保険に加入しているからといって、交通ルールに反するような運転は絶対にしてはいけません。
重大な交通事故を起こした場合は、被害者への損害賠償以外にも、刑事事件として起訴される可能性もありますし、違反点数によっては免許の取り消しや停止になる場合もあります。日頃から、交通ルールをよく守り、無事故の安全運転を目指しましょう。
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